ある似てない親子

- のめBar

雄太は一人、街を歩く。
　クリスマスを境に、彼を取り巻く環境は大きく変わっていった。親友と思っていたクラスメートと離れ、たくさん買い集めていたCD、DVDを手放し、自分の元にはなにもない。
　雄太は、自分のやりたいことを探して街を出歩く。
　それでも、父の帰りに合わせて帰ることを決めていた。
　そんなある日、父の帰りを忘れかけていた。雄太は、立ち寄った喫茶店から出ると、高校生らしき集団が向かってくるのが見えた。足を速める雄太。彼に振り返る、集団の中の一人。
　雄太と連絡が取れなくなった英雄は、携帯のGPSを頼りに雄太を探す。地図のアイコンは、見慣れない路地裏を指していた。
　ゴミが散乱する、真っ暗な路地裏に踏み入れた英雄を待っていたものは……