腹がすいては愛せない
- あわゆき

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しゃもじの上に置かれた米を、大きく開いた口の中へと一気に入れる。

「美味い……」

口を動かしながら、飯窯を抱えて膝丸はその場に座り込む。
その体は微かに震え始めていた。

「泣いてない……泣いてはない、ぞ……」

自分がこんな事をしているなど知らない兄は、
部屋を抜け出して来た時と同じで、今も深い眠りについている事だろう。

兄の髭切には絶対に秘密にしなければならない、膝丸の身体事情。
それが満たされるのには、まだまだ時間が掛かりそうなのであった。

何も知らない小食の兄×隠し事をしている大食の弟

髭切と膝丸は、大変仲の良い兄弟であり、恋仲同士であった。

『普通』とは、何なのか?……と、
膝丸が悩みながら、もりもりご飯を食べるお話。

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作品について

作品名 腹がすいては愛せない
作家名 桃の香織 年齢区分 [R18]
発行日 2019/12/08 発行イベント 閃華の刻28
作品タグ
紹介URL https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12045985
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