王様になんてなれない

- ecru

一言で言うと、すごく濃厚でした。
セリフが少ない、ない見開きの入れ方が絶妙で、なのにすごい濃厚…
クリフトの初恋の気持ちの描き方がすごく丁寧で、姫の絵を手に入れた時の表情、ベッドでのシーン、すごくリアルで…
物語の途中のクリフトの本の内容と、本編の絡め方、その本の内容を聞いた時の姫様の反応と終盤の心の変化がすごく印象に残っています。
決して幸せではない、それでも幸せだった。
終盤4ページの希望の光が差し込んだ後の暗転には、こみあげてくるものがありました。
なんだろう…漫画を読んでいるというよりは、イラスト集を見ているような…それくらいどの場面も絵になっていてきれいでした。
感想書くのヘッタクソなんですが、どうしても書かずにはいられませんでした。

やっと念願叶って実際に手元に置くことができました。表紙がキラキラで姫様がより一層眩しいです。
本編を読み、夜神官が寝てしまうあのシーンで目頭が熱くなりました。姫様も神官も深い所で繋がっているなあというのがヒシヒシ伝わり、哀しいけどもあったかい。

ラストはラストで、かなしみに胸ぐら掴まれて殴られたくらいの、ゆっくりじわっと来るつうこんのいちげき。大好きな展開です。
画面のつくり方に映画的な印象を受けまして、読後は映画館からの帰り道気分。